○神石高原町犯罪被害者等支援条例

平成29年3月6日

条例第1号

(目的)

第1条 この条例は、犯罪被害者等基本法(平成16年法律第161号)に基づき、本町における犯罪被害者等の支援に関し、基本理念を定め、町、町民及び事業者の責務を明らかにするとともに、犯罪被害者等を支援するための施策の基本となる事項を定めることにより、犯罪被害者等が必要とする施策を総合的に推進し、もって犯罪被害者等が受けた被害の軽減及び回復に資することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 犯罪等 犯罪及びこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす行為をいう。

(2) 町民 住民基本台帳法(昭和42年法律第81号)の規定に基づき本町の住民基本台帳に記録されている者をいう。

(3) 事業者 法人その他の団体(国及び地方公共団体を除く。)及び事業を営む個人をいう。

(4) 犯罪被害者等 犯罪等により被害を被った者及びその家族又は遺族であって、町内に居住し、勤務し、又は通学するもの(町長が特に認める場合を含む。)をいう。

(5) 関係機関等 国、広島県、その他の関係機関及び犯罪被害者等の支援を行う民間の団体その他の関係するものをいう。

(6) 犯罪行為 日本国内又は日本国外にある日本船舶若しくは日本の航空機内において行われた人の生命又は身体を害する罪に当たる行為(刑法(明治40年法律第45号)第37条第1項本文、第39条第1項又は第41条の規定により罰せられない行為を含むものとし、同法第35条又は第36条第1項の規定により罰せられない行為及び過失による行為を除く。)をいう。

(基本理念)

第3条 犯罪被害者等の支援は、犯罪被害者等が平穏な生活を取り戻せるよう、犯罪被害者等の被害の状況、原因及び犯罪被害者等が置かれている状況その他の事情に応じ、適切に行われるものとする。

2 犯罪被害者等の支援は、その過程において、犯罪被害者等の名誉又は生活の平穏を害することのないよう行われるとともに、犯罪被害者等に関する個人情報の適正な取扱いの確保に最大限配慮して行われるものとする。

3 犯罪被害者等の支援は、関係機関等との適切な役割分担を踏まえ、相互に連携し、及び協力して行われるものとする。

(町の責務)

第4条 町は、前条に規定する犯罪被害者等の支援の実施に関する基本理念に従い、犯罪被害者等の支援に関する各種施策を総合的に推進しなければならない。

(町民及び事業者の責務)

第5条 町民及び事業者は、基本理念に基づき、犯罪被害者等の名誉又は生活の平穏を害することのないよう十分配慮するとともに、町及び関係機関等が行う犯罪被害者等の支援に協力するよう努めなければならない。

(相談及び情報の提供等)

第6条 町は、犯罪被害者等が日常生活又は社会生活を円滑に営むことができるようにするため、犯罪被害者等が直面している各般の問題について相談に応じ、必要な情報の提供及び助言を行うとともに、関係機関等との連携調整を行うものとする。

(保健医療及び福祉サービスの提供)

第7条 町は、犯罪被害者等が犯罪等により心身に受けた影響から回復し、家事、育児等の日常生活を円滑に営むことができるようにするため、適切な医療サービス及び福祉サービスが提供されるよう必要な施策を講ずるものとする。

(住居の提供)

第8条 町は、犯罪等により従前の住居に居住することが困難となった犯罪被害者等の居住の安定を図るため、町営住宅への入居における特別の配慮等必要な施策を講ずるものとする。

(雇用の安定)

第9条 町は、犯罪被害者等の雇用の安定を図るため、事業者に対し、犯罪被害者等が置かれている状況及び犯罪被害者等の支援について理解を深める機会を確保する等必要な施策を講ずるものとする。

(民間支援団体に対する支援)

第10条 町は、犯罪被害者等の支援活動を行う民間の団体に対し、その活動の促進を図るため、情報提供、助言その他の必要な施策を講ずるものとする。

(啓発活動の推進)

第11条 町は、関係機関等と連携して、社会全体として犯罪被害者等の支援が推進されるよう、犯罪被害者等の置かれている状況、犯罪被害者等の名誉又は生活の平穏への配慮の重要性等について、町民及び事業者が理解を深めるよう必要な啓発活動を推進するものとする。

(犯罪被害者等見舞金の支給)

第12条 町長は、この条例の定めるところにより、犯罪行為により死亡し、又は傷害(全治1月以上の加療を要すると医師又は歯科医師が診断したものに限る。)を受けた者で、当該犯罪行為が行われた時に町民であったもの(傷害を受けた者にあっては、当該犯罪行為が行われた時から引き続き町民であるものをいう。以下「犯罪行為被害者」という。)又はその遺族に対して、犯罪被害者等見舞金を支給する。

(犯罪被害者等見舞金の種類及び額)

第13条 犯罪被害者等見舞金は一時金とし、その種類及び額は次のとおりとする。

(1) 傷害見舞金 10万円

(2) 遺族見舞金 30万円

2 町長は、傷害見舞金を犯罪行為被害者に、遺族見舞金を犯罪行為被害者の第1順位遺族(次条第3項の規定による第1順位の遺族をいう。)に対し、支給する。

3 遺族見舞金の支給を受けることができる同順位の遺族が2人以上あるときは、町長は、それらの者のうち1人を当該遺族見舞金の受領についての代表者と定め、その者に支給するものとする。

(遺族の範囲及び順位)

第14条 遺族見舞金の支給を受けることができる遺族は、犯罪行為被害者の死亡時において次の各号のいずれかに該当する者とする。

(1) 犯罪行為被害者の配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあった者を含む。)

(2) 犯罪行為被害者の収入によって生計を維持していた犯罪行為被害者の子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹

(3) 前号に該当しない犯罪行為被害者の子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹

(4) その他町長が特別に認めるもの

2 犯罪行為被害者の死亡の当時胎児であった子が出生した場合における前項の規定の適用については、その子は、その母が犯罪行為被害者の死亡の当時犯罪行為被害者の収入によって生計を維持していたときにあっては同項第2号の子と、その他のときにあっては同項第3号の子とみなす。

3 遺族見舞金の支給を受けるべき遺族の順位は、第1項各号の順序とし、同項第2号及び第3号に掲げる者のうちにあっては、それぞれ当該各号に掲げる順序とし、父母については、養父母を先にし、実父母を後にする。

4 犯罪行為被害者を故意に死亡させ、又は犯罪行為被害者の死亡前に、その者の死亡によって遺族見舞金の支給を受けることができる先順位若しくは同順位の遺族となるべき者を故意に死亡させた者は、遺族見舞金の支給を受けることができる遺族としない。遺族見舞金の支給を受けることができる先順位又は同順位の遺族を故意に死亡させた者も、同様とする。

(犯罪被害者等見舞金の支給申請)

第15条 犯罪被害者等見舞金の支給を受けようとする犯罪行為被害者又はその遺族は、規則で定めるところにより、町長に申請しなければならない。

2 前項の規定による申請は、当該犯罪行為による被害の発生を知った日から2年を経過した日又は当該犯罪行為による被害が発生した日から7年を経過した日のいずれか早い日を経過したときは、することができない。

(犯罪被害者等見舞金の支給制限)

第16条 町長は、次に掲げるときは、規則で定めるところにより、犯罪被害者等見舞金の支給をしないことができる。

(1) 犯罪行為被害者と加害者との間に親族関係(事実上の婚姻関係を含む。)があるとき。

(2) 犯罪行為被害者が犯罪行為を誘発したときその他当該被害につき、犯罪行為被害者にもその責めに帰すべき行為があったとき。

(3) 前2号に掲げるときのほか、犯罪行為被害者又はその遺族と加害者との関係その他の事情から判断して、罪被害者等見舞金を支給することが社会通念上適切でないと認められるとき。

(決定)

第17条 町長は、第15条第1項の規定による申請があったときは、速やかに犯罪被害者等見舞金を支給する又は支給しない旨の決定を行い、申請を行った者に対し、通知しなければならない。

(犯罪被害者等見舞金の返還)

第18条 町長は、偽りその他不正な手段により犯罪被害者等見舞金の支給を受けた者があるとき又は犯罪被害者等見舞金の支給後において、第16条の規定に該当することが判明したときは、当該犯罪被害者等見舞金の全部又は一部を返還させることができる。

(委任)

第19条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、平成29年4月1日から施行する。

(経過措置)

2 第12条から第18条までの規定は、この条例の施行の日以後に行われた犯罪行為による死亡又は傷害(第12条に規定する傷害をいう。)について適用する。

神石高原町犯罪被害者等支援条例

平成29年3月6日 条例第1号

(平成29年4月1日施行)