この史跡は町文化財に指定されている。カヤぶきの一間の四角堂と泉である。旅する人達は,この宿場油木のはたごで,疲れをいやしたといわれる。
はたごのある市場の待合は峠の上で,その寄りつきは福山への道と備中高山への道の分かれになり,そこには権現山から湧き出る泉がある。西行法師も旅の疲れをこの市場下にある泉でいやされたということです。
冷たくて,澄みきった泉の水に,口の渇きをうるおわせた法師は,一首を残して立ち去られたといわれる。
それから後,この泉を「うたの泉」と呼び,かたわらに立つ辻堂を「うたの御堂」と呼び,伝えてきたのです。
かの西行法師が,権現山の峠の上,湧き出る泉で口の渇きを潤し,傍らに立つ辻堂で旅の疲れを癒したことで,「手にむすぶ岩間の清水底澄みて行きかふ人のかげも涼しき」と有名な一首を残しました。そのことからこの地を,「うたの泉」「うたの御堂」と呼び,今現在も多くの人に語り継がれています。